七宗町1人1台端末利活用計画
目的
1人1台端末や大容量の通信ネットワークを整備し活用することで、生徒一人ひとりの学びを深め、個別最適化された学びと協働的な学びの両立を実現することにより、全ての子供たちの可能性を引き出し、将来の社会で必要とされるデジタルリテラシーを身につけることを目指す。
2.1人1台端末を始めとするICT環境によって実現を目指す学びの姿
1. 学びの姿
1.1 個別最適化された学習
- 個別学習プランの作成: 学習管理システム(LMS)を活用し、各生徒の学習進捗や理解度に基づいた個別学習プランを作成。
- 適応学習ツールの利用: AIを活用した適応学習ツールにより、生徒の理解度に応じた問題や教材を提供し、学習効率を最大化。
1.2 アクティブ・ラーニングの推進
- プロジェクトベース学習: 端末を活用したプロジェクトベースの学習を実施し、生徒が自ら課題を設定し、調査・解決する能力を育成。
- 協働学習: オンラインツールを利用したグループワークやディスカッションを通じて、生徒同士の協働とコミュニケーション能力を向上。
1.3 リアルタイムフィードバック
- オンラインテストとフィードバック: デジタルテストを実施し、リアルタイムで結果をフィードバック。生徒は自己の理解度を即座に把握し、改善点を明確にする。
- 電子ポートフォリオの活用: 生徒の学習成果を電子ポートフォリオとして記録し、教職員や保護者と共有することで、継続的なフィードバックを実現。
1.4 知識の深掘りと探究学習
- デジタルリソースの活用: オンライン図書館、学習アプリ、教育用動画など多様なデジタルリソースを利用し、生徒の興味・関心に応じた探究学習を推進。
- 自主学習の支援: 端末を通じていつでもどこでも学習できる環境を提供し、生徒が自主的に学びを深める習慣を育成。
1.5 グローバルな視点の育成
- オンライン交流: 海外の学校とのオンライン交流を通じて、異文化理解や国際的な視点を育む。
- 多言語学習アプリの利用: 多言語学習アプリを活用し、語学力の向上を図る。
1.6 デジタルリテラシーと情報モラルの教育
- デジタルリテラシー教育: ICTの基本操作、インターネットの安全な利用、情報の評価・選択方法を教えるカリキュラムを実施。
- 情報モラルの指導: オンラインでの適切なコミュニケーション方法や個人情報保護の重要性を教える。
2. 実現に向けたステップ
2.1 インフラ整備
- 高速インターネット環境の整備
- 校内ネットワークの強化
- 各教室への電子黒板やプロジェクターの設置
2.2 教職員の研修
- ICT活用方法の研修
- デジタル教材の作成と活用方法のトレーニング
- デジタルリテラシー教育の専門知識を身につけるための研修
2.3 保護者との連携
- 保護者説明会の開催
- 家庭での端末利用ガイドの提供
- 保護者向けポータルサイトの運用
2.4 生徒のサポート
- 初期導入時のサポート体制の確立
- 端末利用に関するFAQやヘルプデスクの設置
- デジタルリテラシー教育のカリキュラムの実施
3. 成功指標
- 学習成果の向上(成績、テスト結果)
- 端末の利用率
- 生徒・教職員・保護者からのフィードバック
- デジタルリテラシーの向上度
- 生徒の自主学習時間の増加
3.GIGA第1期の総括
1.目的と背景
GIGAスクール構想の第1期では、全国の全ての小中学生に1人1台の端末を配備し、ICT環境を整備することを目的としていました。七宗町もこの構想に基づき、教育のデジタル化を推進しました。
2.主な実施内容
- 1人1台端末の配布: 小中学生全員にタブレット端末を配布し、デジタル学習環境を整備。
- 高速インターネットの導入: 各学校に高速インターネット回線を導入し、安定したネットワーク環境を提供。
- デジタル教材の導入: 各教科に対応したデジタル教材を導入し、日常的な授業で活用。
- 教職員のICT研修: 教職員向けにICTの活用方法やデジタル教材の使用方法に関する研修を実施。年間5回の町教育委員会主催の研修を行っている。
- 生徒向けICT教育: 生徒に対してICTリテラシー教育を実施し、デジタルツールの基本操作やインターネットの安全な利用方法を教える。
3.成果と評価
3.1 教育の質の向上
- 学習の個別化と多様化: 端末を活用することで、生徒一人ひとりの学習進度に応じた個別指導が可能となり、学習の質が向上。
- 自主学習の促進: デジタル教材や学習アプリの活用により、生徒が自主的に学ぶ機会が増加。
- 協働学習の推進: グループワークやプロジェクト学習で、ICTを活用した協働学習が実現。
- 全国学力学習状況調査の結果:ICTの活用に関わる児童生徒の質問項目については、全国の平均値と同等か上回る結果が出ている。今後もICTの利活用を推進していく。
3.2 教職員のスキル向上
- ICT活用の定着: 教職員が日常的にICTを活用するようになり、授業の効率化と質の向上が見られた。しかし、教職員によって活用への意識差があることが課題としてあげられることから、継続して教職員向けの研修を行う。
- デジタル教材の活用: デジタル教材の活用により、授業の幅が広がり、教職員の指導力が強化。
3.3 保護者との連携強化
- コミュニケーションの円滑化: オンラインでの連絡や情報共有が増え、保護者とのコミュニケーションが円滑に。
- 家庭学習の支援: 保護者がデジタル教材を利用して家庭学習を支援する機会が増加。
4.課題と改善点
4.1 技術的課題
- ネットワークの安定性: 一部地域でインターネット接続の不安定さが問題となり、対策が必要。
- 端末管理の負担: 端末の管理やメンテナンスにかかる教職員の負担が増加。
4.2 教育的課題
- ICTリテラシーのばらつき: 生徒間でICTリテラシーの差が見られ、個別指導やサポートが必要。
- 依存症や健康リスク: 長時間の端末使用による依存症や健康リスクへの対策が求められる。
4.3 保護者の理解と協力
- ICT教育への理解不足: 一部の保護者がICT教育の重要性を十分に理解していないため、さらなる啓蒙が必要。
5.今後の展望
- ネットワーク環境の強化と端末の更新: インターネット接続の安定化と高速化を進めるとともに、端末の計画的な更新により、全生徒が快適に学習できる環境を維持。
- 端末管理の効率化: 端末管理システムの導入や専任スタッフの配置を検討し、教職員の負担軽減を図る。
- ICTリテラシー教育の充実: 生徒のICTリテラシー向上のため、継続的な教育プログラムを強化。
- 健康リスクへの対策: 端末使用時間の適正化や健康教育の充実を図る。
- 保護者との連携強化: 保護者向けの説明会や情報共有を継続し、ICT教育への理解と協力を促進。
4.七宗町 1人1台端末の利活用方策
1.利活用の基本方針
- 端末の整備・更新により、児童生徒一人1台端末を引き続き維持する。
- 個別最適化された学習: 生徒一人ひとりの学習進度や理解度に応じた個別指導を実現。
- 協働学習の推進: 生徒同士の協力や意見交換を促進し、コミュニケーション能力を向上。
- 自主学習の支援: 生徒が自ら学び、考える力を育むための環境を提供。
- デジタルリテラシーの向上: ICTを活用する能力を高め、将来の社会で必要とされるスキルを養成。
- 特別な支援を要する児童生徒への学びの保障:ICTを活用することにより児童生徒の困り感を解消できる場面での積極的な活用。
2.具体的な利活用方策
2.1 個別最適化された学習
- 学習管理システム(LMS)の導入: 生徒の学習進捗や理解度をリアルタイムで把握し、個別指導を実現する。
- 適応学習ツールの活用: AIを活用して、生徒一人ひとりに最適な問題や教材を提供するシステムを導入。
- 電子ポートフォリオの活用: 生徒の学習成果や活動記録をデジタルで管理し、成長を見える化する。
2.2 協働学習の推進
- オンラインコラボレーションツールの導入: Google WorkspaceやMicrosoft Teamsなどのツールを活用し、グループワークや共同プロジェクトを実施。
- ディスカッションフォーラムの設置: オンライン上で意見交換や議論を行うフォーラムを設置し、生徒同士の交流を促進。
2.3 自主学習の支援
- デジタル教材と学習アプリの提供: さまざまな学習アプリやデジタル教材を導入し、生徒が自主的に学べる環境を整備。
- オンライン学習リソースの活用: Khan AcademyやCourseraなどのオンライン学習リソースを活用し、幅広い学びの機会を提供。
2.4 デジタルリテラシーの向上
- ICT教育カリキュラムの実施: ICTの基本操作、インターネットの安全な利用、情報の評価・選択方法を教えるカリキュラムを導入。
- サイバーセキュリティ教育: 生徒に対して、オンライン上のセキュリティやプライバシー保護の重要性を教える。
3.教職員のサポート体制
3.1 教職員研修の実施
- ICT活用研修: 端末の操作方法やデジタル教材の活用方法に関する研修を定期的に実施。
- デジタル教育リーダーの育成: 各学校にデジタル教育リーダーを配置し、ICTの活用を推進。
3.2 サポート体制の強化
- ヘルプデスクの設置: 端末やソフトウェアのトラブルに迅速に対応するためのヘルプデスクを設置。
- 専門家の支援: ICTに関する専門家を招き、教職員へのサポートやアドバイスを提供。
4.保護者との連携
4.1 保護者向け説明会の実施
- ICT教育の重要性の理解促進: 保護者向けに説明会を開催し、ICT教育の重要性や家庭でのサポート方法を説明。
- 端末の使い方やルールの周知: 端末の使い方や家庭での利用ルールについて保護者に周知する。
4.2 コミュニケーションの強化
- 保護者ポータルの導入: 保護者が学校からの連絡や生徒の学習状況を確認できるオンラインポータルを提供。
- 定期的なフィードバック: 保護者に対して定期的に生徒の学習状況や進捗についてフィードバックを行う。
5.安全対策とガイドライン
5.1 セキュリティ対策
- セキュリティソフトの導入: 端末にセキュリティソフトをインストールし、ウイルスや不正アクセスから守る。
- フィルタリングの設定: 有害サイトへのアクセスを防ぐためのフィルタリング設定を実施。
5.2 利用ガイドラインの策定
- 利用規約の策定: 端末の利用ルールやエチケットに関するガイドラインを策定し、生徒と保護者に周知する。
- インターネット安全教育: インターネットの安全な利用方法について生徒に教育し、トラブルを未然に防ぐ。
6.特別な支援を要する児童生徒への学びの保障
6.1 希望する不登校児童生徒への支援
- 不登校児童生徒が希望する場合、リモート機能を活用して授業に参加したり、チャット機能を活用して交流したりして、学習支援を行う。
6.2 外国人児童生徒に対する支援
- 外国人児童生徒に対して、翻訳機能を活用し、学習支援を行う。
6.3 特別な支援を要する児童生徒への支援
- 障がいのある児童生徒や病気療養児等、特別な支援を要する児童生徒への学習支援を行う。児童生徒のニーズに応じて柔軟に学習支援を行う。
5.まとめ
1人1台端末の利活用を通じて、七宗町の生徒が主体的に学び、協働し、デジタル時代に適応したスキルを身につけることを目指します。これにより、生徒の学習意欲と成果を向上させ、将来の社会で活躍できる人材を育成するための環境を整備します。